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最初にETFのトレーディングを考えてみましょう。 ここで言うトレーディングとは、タイミング重視で機動的にETFを売買し、パフォーマンスの極大化を目指す手法を指します。
投資期間を限定するわけではありませんので、短期投資で投資成果を狙う方法もあれば、長期投資で収益を確保していく方法もあります。 ここでは一般の個人投資家が比較的簡単に取り組むことのできる考え方を紹介したいと思います。
スイングトレードとは、短期間のうちに発生する値動きのトレンド(スイング)に乗じて利益を狙うトレーディング手法です。 通常、ポジションを作ってから数日間のうちに反対売買してポジションを閉じ、損益を確定させます。
従来の投資信託は、売買を申し込んでから基準価額が決まるまで数日を要するうえに取引コストが割高なので、スイングトレードのような短期売買を行うには無理があります。 それに比べてETFは、株式と同じように売買したいタイミングで取引できますから、スイングトレードにも十分に対応できます。
取引コストも割安ですから、比較的小さな利幅でもネットの利益を確保しやすいという利点もあります。 スイングトレードを前提にETFの銘柄を選ぶなら、いつでも売買したい価格水準で取引できること、つまり流動性の高さが必須条件になります。

この点では、N平均株価やTなど総合的な株価指数を対象としたETFのうち、運用資産の規模がトップクラスの銘柄を選ぶのが有利です。 特定のセクター、国や地域、資産クラスを対象としたETFでは、運用資産の規模がそれほど大きくないため、流動性が低くなりがちで、売買したい価格とタイミングで取引できないおあります。
スイングトレードでは、比較的短期間で売買を完結させるため、ファンダメンタル分析(経済指標や企業業績に基づいて投資判断を下す分析方法)よりもテクニカル分析を重視して、銘柄選びや売買のタイミングを決めていきます。 テクニカル分析では、過去の値動きに基づいて、現在の値動きを考え、将来の値動きを予測しようとします。
過去の値動きのトレンドやパターンを把握するためには、テクニカル指標を活用したチャート分析が欠かせません。 テクニカル指標には数多くの種類がありますが、ローソク足や株価移動平均線といった基本的な指標であれば、証券会社などのホームページでチェックできます。
ボリンジャーバンドやRSI、一目均衡表など、より複雑な指標を表示できるホームページもたくさんあります。 ただし、どのテクニカル指標がよいのかは、個々の投資家のスタイルや好み、経験によって異なりますので、一概には言えません。
スイングトレードのような短期売買を成功させるには、何よりも真剣に取り組むという姿勢が欠かせません。 また、リスク管理を徹底し、予想外の値動きにも対処できるような技術を身につける必要があります。
ポジショントレードは、スイングトレードとは異なり、数週間から数カ月の時間枠で投資成果を出していくトレード方法です。 中期的な相場観が求められます。
N平均株価やTに連動するETFでポジショントレードを考えるならば、日本株全体の過去数年の価格推移を踏まえたうえで、今後数カ月後から半年後の値動きを頭に描きます。 N平均株価を例にとれば、2008年2月の価格水準は1万4000円前後で、2007月7月のピーク(1万8000円前後)から20%程度下落したところに位置しています。
この価格水準をベースに、たとえば2008年の8月にはどのくらいの水準まで回復しているか、あるいはざらに下落しているかと予想してみます。 自分の相場観に基づいて、どのタイミングで買って、何ヵ月後に売るかといった投資プランを組み立てるのです。
ポジショントレードを成功に結びつけるには、何よりも安く買って、高く売るに徹することです。 また、株価は直線的に上昇し、下落するわけではありませんので、相場が予想と反対に動いたときには早めに損切りを実行するなど、機動的にポジションを調整していく技術も問われます。

具体的には、次の4点が重要になります。 投資期間を決めておく日々の値動きよりも大局的な相場観を重視する損切りの水準を設定しておく全運用資産に対する投資金額(1回あたりの売買金額)の上限を決めておく投資成果の評価については、いろいろ意見が分かれるところですが、著者の個人的な考え方では、売買委託手数料などの取引コストを控除した後で、少なくとも長期金利(現在は年1.5%程度)以上のリターンが得られれば、ある程度評価してよいと思います。
歴史的なリスクとリターンを考えれば少なくとも年7〜8%のリターンを確保したいところですが、過去数十年の平均値を数カ月間のポジショントレードで確実に実現していくのは、かなり難しいことなのです。 今回のSb問題による日本株の低迷は、著者の予想を超えるものでした。
なかでも日本の金融機関はSb問題の影響をそれほど深く受けていないにもかかわらず、株価が大きく下落してしまいました。 株の値動きには、いったん大幅に下落すると、しばらく低迷が続くという傾向があります。
とりわけSb問題のように根が深く、どこまで影響が広がるかわからない事象に対する市場の反応は常にネガティブです。 こうした“大波”をかぶって評価損を抱えてしまうと、そこから抜け出すのに相当の時間がかかることがあります。
損切りの徹底など、自分の運用ルールをきちんと守りながらポジションを調整することが重要です。 ドルコスト平均法(定時定額投資)とは、ある期間、定期的に一定の金額(たとえば、毎月1万円ずつ)を投資していくものです。
積み立て預金と同じような考え方で、毎月少しずつETFを買っていくのです(図表3-1参照)。 預金の場合は、預金元本に対し一定の利息が付くだけですが、ETFのように価格が変動する有価証券を投資対象とした場合、買い付け価格が平準化されるというメリットがあります。
つまり、有価証券を買い付けるための“金額”はいつでも一定ですから、価格が低いときにままより多くの単位を購入できますし、価格が高いときにはより少ない単位を購入することになります。 結果として、有価証券1単位に支払う平均コストは、その証券の平均市場価格よりも低くなります。
なお、ドルコスト平均法でETFを少額ずつ買う場合には、「株式」という少額積立制度の利用が前提となります。 というのも、ETFには個別株と同様に単元株(最低取引株数)の制限があるため、半端な株数を取引することができないからです。

現在、N平均株価連動型のETFは単元株が10株です。 もしもN平均株価が1万円なら、ETFの価格水準は1万円前後になるはずですから、購入するには最低10万円(=1万円×10株)の資金が必要になります。
ということは、仮に「日経225連動型上場投資信託」を毎月10万円ずつ買おうとしても、ETFの価格が1万円を超えたから9株買い、1万円を割り込んだから11株買うといったことができないのです。 こうした単元株の制限を解消するために導入されたのが「株式」で、この制度を利用すると、毎月1万円といった少額投資が可能になります。

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